石垣島の民話・伝承

石垣島には、古くから多くの民話や伝説が残り、そして今も史跡やお祭りとして根差しています。ここでは石垣島の東海岸に残る巨大な津波石と、毎年夏に開かれる「南の島の星まつり」に代表される八重山諸島の美しい星にまつわる2つのお話をご紹介します。石垣島を観光する前に、史跡やお祭りにまつわるお話を調べて、さらに充実した旅行をお楽しみください。

石垣島・人魚伝説

石垣島の人魚伝説

昔むかし、石垣島は白保の村の東北に、白い砂浜に囲まれて美しい花があふれた小さな島がありました。 島には数十人の村人が、田畑を耕し、漁に出て暮らしていました。夜ともなれば、村の若者たちは涼を求めて海岸に集まり、踊り、唄いながら宴を開いていました。
ある夜、月の綺麗な晩、宴で唄う声の中に、鈴の音のような美しい女の声が混じっているのに気が付きました。若者たちが声の主を探すと、その歌声は遠く沖合から響いていました。その夜から、若者たちが宴に集うと、時折この不思議な歌声が混じるようになったそうです。

そんなある日、月の美しい晩に、サバニと呼ばれる伝統的な船で沖合に漁に出た若者たちは、珍しい大きな魚を釣り上げました。その魚は、上半身が美しい人間の女性、下半身は魚の姿という不思議な人魚でした。村に持ち帰り皆に見せようと、若者たちが舟をこぎ出すと、その人魚は鈴の音のような美しい声で啼きながら、若者たちに告げました。「どうかどうか、海に帰して下さい。海に帰してくれたなら、お礼に海の秘密を教えます。」若者たちは相談し、人魚を海に帰してあげる事にしました。「ありがとう、若者たち。お礼に海の秘密を教えます。明日の朝、とてもとても怖ろしい、大きな大きな津波が島を襲います。どうか高い山に逃げ、難を逃れて下さい。」半信半疑の若者たちは、それでも村人たちに人魚の言葉を伝え、隣の白保の村へも急いで伝えに走りました。

白保の村では、人魚に伝えられた言葉に取り合うものはいませんでした。しかたなく島の村人たちは、身の回りの物だけを持ち、総出で夜のうちに山に登り、朝を待ちました。はたして翌朝、突如空が暗くなると、遠く遠く、海の向こうから、巨大な水の壁のような津波があらわれ島を一息に飲み込んでしまいました。山に登り、なんとか難を逃れた村人たちは、島のほとんどが海の下に沈んだ恐ろしい光景に震えながらも、人魚の言葉で皆が助かった事を喜び合いました。人魚の言葉を聞かなかった白保の村では、たまたま山に働きに出ていたわずかな村人を除き、津波に村は飲みこまれ、皆がいなくなってしまったそうです。

これは江戸時代、1771年の春に石垣島を襲い、1万2000人を超える島民の命を奪った明和の大津波にまつわる伝説です。石垣島の東海岸には、津波石と呼ばれる数百tから一千tに及ぶ大きな巨岩群が海から打ち上げられ、今も津波の大きさを伝えるように残っています。
石垣島・南の星空の伝説

石垣島・南の星空の伝説

昔むかし、石垣島の南にある黒島には、胸が4つある娘が暮らしていました。娘は胸の秘密をとても恥じていましたが、年頃になりそれはそれは美しく育った娘の元に、連日多くの男たちが求婚に訪れるようになりました。
娘は男たちに、正直に胸の秘密を打ち明けました。驚いた男たちは、一人、また一人と去りましたが、最後に残った男はそれでも強く娘に求婚し続けました。娘は男と結婚し、そして男との間には子宝も恵まれ、家族仲睦まじく、暮らしていたそうです。

ところがある時、遠く沖縄本島の、首里の王様にまで娘のうわさが伝わり、娘は王の元へ来るよう求められました。当時は、黒島から沖縄本島は、一度行けば二度と帰れぬ遠い遠い距離です。娘は嘆き、子供たちに話しました。「もしも、二度と帰る事が出来なくても、私は星になってあなたたちを見守っています。春の田植えのころと、夏の稲刈りのころに、南の空を見なさい。空にひときわ輝く大きな星となり、私はあなたたちを見守ります。」そして娘は、二度と帰ってくることはありませんでした。

そして子供たちは、毎年田植えの時期と、稲刈りの時期に、南の空に現れる、二つの大きな輝く星を、「アブー(お母さん)」と呼び続けました。それから、南の空にひときわ輝くケンタウロス座のα・β星のことを、島の人たちはパイガ星、アブー星とよび、田植えと稲刈りの大切な目印としてきたそうです。

石垣島を含む八重島諸島には、星にまつわる多くの伝承が残されています。石垣島の人々は、古くから星の動きで時の移ろいを知り、日々の暮らしへ役立てきました。2002年からは、毎年夏に、全島ライトを消し美しい星空を眺める「南の島の星まつり」が開催され、ますます「星の島」としての石垣島に注目が集まっています。

>【石垣島・八重山諸島】7月~9月のイベント・行事

▼ 素材提供
一般財団法人 沖縄観光コンベンションビューロー様 http://www.ocvb.or.jp/

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